…見られてる?新潟本社/工場で避難訓練を実施しました

上の写真は避難訓練の避難場所です。
この後この場所に、とある特殊車両が到着します。


当社では、10月1日に本社日勤社員を対象とした避難訓練を実施しました。
今回も訓練時の写真が撮れず・・ほぼ文字です。が、最後までぜひ読んでください!

→ 昨年の避難訓練の様子はこちらから

毎年当社では、社員で編成された防災管理部会が訓練内容を検討し、計画的に避難訓練を実施しています。近年は避難経路や自衛消防隊の動きの確認が中心で、時には抜き打ちでの訓練も行ってきました。同じ内容を繰り返し訓練する重要性を理解しつつも、より効果的な訓練へとアップデートするために、今回は一度専門家の指導を仰ぐことにしました。

事前準備として消防署に提出する「消防訓練実施計画通知書」には、消防職員の派遣要請欄が設けられています。
当日は、本社のある三条市の消防職員の方々に立ち会っていただき、訓練の一部始終を見てもらった後、防災管理部会が改善点について指導を受ける流れで進められました。
消防職員の方々は、打合せ通りの時間ピッタリに現着。事前告知はしていたものの、普段とは異なる「見られている」という、どこか戸惑いを感じる雰囲気の中で訓練がスタート。

【本社2階食堂から出火】の想定で、消防職員の方々には社内の主要箇所に分かれ「社内アナウンス」「初期消火」「避難・点呼」の様子を直近で見ていただきました。
訓練後には次回につながる貴重なフィードバックをいただきました。

  • 火災に関する知識の再確認
  • 社員間で共有すべきポイント
  • 訓練で重点的に確認したい事項

それぞれ具体的なアドバイスの一部を以下にまとめます。

訓練日は晴天に恵まれました

消防職員の方々
からのフィードバック抜粋

火災時の基本行動を理解する

訓練内容に沿って、火災発生時の対応手順を頭に入れておくことが重要です。例えば、食堂から出火した場合、まず近くの消火器を持って対応する必要があります。消火器は1本よりも2本、3本と複数準備することで初期消火の成功率が高まります。ただし、火が天井に達した状態では初期消火が難しくなるため、火災を発見したら火が小さいうちに速やかに消火活動を行うことが鉄則です。

消火器の位置を共有し、意識を高める

初期消火を担当する方が、近くにある消火器を迅速に集めるだけでも良い訓練になります。そのためには、消火器の位置を把握していることが大切です。朝のミーティングなどを活用して位置を周知し、社員の共通認識として定着させておくと良いでしょう。
火災が起きた時、消火器の位置が頭にあればすぐ取りに行けます。火災時にすぐ行動に移せるよう、日頃から備えておくことが求められます。

119番通報訓練の重要性

実際に119番通報を行った経験がない方も多く、いざという時に対応が遅れる可能性があります。やったことのない事を急に対処しようとしてもやはり難しい。そのため、通報の流れを訓練に取り入れることが有効です。
通報が遅れると火災対応が後手に回る恐れがあるため、迅速な通報を心がける意識を持ちましょう。

延焼防止と排煙の意識を高める

今回の訓練では、火元である食堂のドアが開いたままになっていました。初期消火に失敗した場合、ドアを閉めて燃え広がりを防ぐことが大切です。
また、煙が廊下に充満している場合、近隣に建物がなければ窓を開けて排煙を行うことも有効です。これらの対応を事前に意識しておくことが必要です。

消火設備の活用と点検

防火扉や消火栓など、社内にある消火設備は最大限に活用してください。消火栓を業者に点検してもらう際には、社員も一緒に確認することで理解を深めることができます。
また、消火器の使用は実際に試さないと難しいため、訓練に組み込み、実践することをお勧めします。

避難経路の把握

明るい時には避難経路が確認しやすいですが、停電などで真っ暗になった場合を想定する必要があります。そのため、非常時に備えて事前に避難経路をしっかり把握しておくことが非常に重要です。

こうした火災に関連した情報があらかじめ理解した状態で、それを訓練で確認する。
既に動きが分かってる状態でそれを訓練する形が理想的です。

実際、訓練で間違いがあっても問題ありません。「できた」や「できなかった」という結果を通じて、次に生かすことが重要です。避難訓練を「確認の機会」と捉えると良いと思います。
また、リアリティのある訓練内容にすることで、実際の火災発生時に迅速かつ適切に対応できるようになります。そのためには、事前に動きの流れを頭に入れておくことが理想的です。準備段階で想定を共有し、訓練で確認することで、実際の行動に結びつく力を養いましょう。

印象に残ったのは、「やった事がないことをいきなりやるのは難しい」「訓練は確認の機会」という言葉。

今回の訓練を振り返り、「共通認識に対する準備」や「訓練のリアルさ」の面で課題が浮き彫りとなり、多くの改善点があると実感しました。災害に対する想像力をもっと働かせた前提条件の見直しや、通報訓練や消火訓練なども含め、より実践的で効果的な内容に改善する必要があります。
そして何より大切なのは、全社員が共通の認識を持ち、災害に対する理解を深めること。その上で、各自の認識を確認し合いながら訓練を進める形が理想的だと感じました。

日常生活では火災や災害をどこか自分とは無縁のことのように感じてしまいがちです。こうした意識が災害に対する想像力を妨げ、結果として訓練にリアリティが欠けたり、緊張感を伴わないものになるのかもしれません。だからこそ訓練を通して少しでもその意識を変えていくことが大切だと感じています。まずは自分自身から、ですね。

企業防災は社員の皆様の協力が不可欠な重要なテーマです。防災管理部会では、今回のフィードバックを次に活かし、今後も定期的な訓練を継続していきたいと考えています。

最後に、この記事が社員の防災意識向上につながるとともに、同じく企業防災に携わるご担当者の参考になれば幸いです。

writer:k.yoshizawa

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