箔押しシール印刷とは?ホットスタンプとコールド箔の違いや特徴を徹底解説

箔シール印刷の2つの選択肢
ホットスタンプ / コールド箔
シール印刷における「箔印刷」は、金や銀をはじめとするメタリックな輝きをデザインに施し、高級感や特別感を演出する重要な加工です。ブランドロゴや商品名への使用は視覚的な訴求力を高め、消費者の印象に強く残ります。さらに、光の反射による立体的な表現や質感の強調は、ミニマルなデザインにおいても際立つ存在感を生み出し、商品の価値を一層引き立てます。
この記事では、加工方法の違いによる「ホットスタンプ」と「コールド箔」、2種類の箔加工の特徴を解説します。箔印刷を検討中の方や、デザイン表現の幅を広げたい方にも役立つ選び方のポイントもご紹介します。
※サンプル請求やお問合せは こちらから ご相談いただけます。
ホットスタンプ(ホット箔押し)とは
金属製の版を加熱し、圧力をかけて箔を印刷物に転写する加工方法です。
「ホット箔」や「箔押し」とも呼ばれ、古くから高級感を演出する定番の特殊印刷として広く使われています。
細かすぎる文字や線は再現が難しい場合がありますが、しっかりとした面積やシンボルマークとの相性は抜群。シンプルなデザインほど、ホットスタンプの質感が際立ちます。
1.ホットスタンプの仕組み
ホットスタンプでは、まず金属の版を作成し、それを加熱して箔フィルムを押し付けます。
熱と圧力をかけることで、箔がデザイン通りに紙やフィルムなどの素材に転写されるという仕組みです。
この加工方法の魅力は、箔ならではの輝きと質感をダイレクトに表現できる点にあります。シール印刷では圧力を適正に調整し、箔部分が過度に凹凸にならないよう注意が必要です。ただし、和紙や厚みのある原紙を使用した場合には、箔押し部分が素材の表面より滑らかになり、結果として印象的な“凹凸感”が生まれることもあります。視覚だけでなく、素材によっては触感でも楽しめる奥深い仕上がりとなります。

PH-3525 箔押し打抜機
機械設備へ >2.豊富な箔ラインナップ

メタリックホイル【蒸着箔】
定番の「3号金」をはじめとする金・銀箔

メタリックカラーホイル【蒸着箔】
色彩やかなカラー展開

ホログラムホイル【ホログラム箔】
豊富なホログラムパターン
ホットスタンプに使用する箔は、定番の金や銀だけでなくマット調メタリックカラーの消金や消銀、実に多彩なカラー展開があります。従来の金箔や銀箔に加え、ピンクゴールド、レッド、ブルー、さらにはホログラム箔など、さまざまな種類から選べます。
この多彩な箔選びによって、印刷物に異なる印象を与えることができ、ブランドやデザインの個性を表現する手段となります。
電子レンジ対応 & 検査ライン上に金属探知機が有る場合は
電子の影響を受けない「絶縁箔」をご用意しています。
金属のような美しい光沢を持ちながら、電磁誘導性がほとんど無いため、電子レンジ対応が想定される食品容器やラベル類にも安心してお使いいただけます。(※一般的なアルミ蒸着箔ではスパークします)さらに、腐食に強い点も大きな特徴です。
金属探知器に反応しないため、異物検査器の使用が不可欠な衣類や寝具のタグシールへの箔印刷にも最適です。
用途に合わせて最適な箔をご提案いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
3.適した原紙素材と表現
ホットスタンプは紙やフィルム、合成紙などさまざまな素材に対応できます。とくにマット系や濃色の原紙と組み合わせると、金や銀の箔が美しく際立ちます。極端に細かいデザインや大面積の全面箔押しには適さないため、デザイン設計には注意が必要です。一方で、シンボルマークやロゴなど適度な面積を持つデザインとは相性が良く、箔の質感をしっかりと活かすことができます。
さらに、使用する原紙によっては、箔押し部分が素材表面と異なる滑らかさを生み、視覚だけでなく触覚にも印象的な変化をもたらす仕上がりが期待できます。
4.ホットスタンプにおすすめの活用例
- 高級感を出したいラベルのロゴやブランド名への加飾
- 電子レンジ対応が想定される食品シールへの加飾
- 質感演出を目的とした厚紙・特殊紙ラベルの加飾
ホットスタンプは、小ロットでの対応が可能であり、特別感を演出したい場面に適した加工方法です。
手に取った瞬間に印象付ける視覚的・質感的な効果が期待できるため、上質感や差別化を求める製品においては、検討すべき加工技術のひとつと言えるでしょう。
コールド箔(コールドフォイル)とは
コールド箔(コールドフォイル)は、UV接着剤を用いて箔を転写し、その上から印刷を施すことができる特殊な印刷技術です。
熱を使用せず、オフセット印刷やフレキソ印刷と組み合わせて連続処理が可能である点が大きな特徴です。
平滑で一体感のある仕上がりとなり、フルカラー印刷との組み合わせによる多彩な表現にも対応します。
ホットスタンプと比較すると若干光沢が抑えられる傾向にありますが、細かいデザインやグラデーションの表現ができる点が大きなメリットです。また金属製の版を必要とせず、印刷工程と同時に箔加工できるため、コストを抑えやすく、大ロット生産に適した加工方法といえます。
1.コールド箔の仕組み
コールド箔加工は、まず通常の印刷工程でUV硬化型の接着剤を印刷物の表面に印刷します。次に、接着剤の上から箔フィルムを重ねて圧着し、UV照射によって接着剤を硬化させることで箔が定着します。不要な箔はこの工程で剥がれ、デザイン部分のみが残る仕組みです。この加工は、印刷機に専用の箔加工ユニットを組み込むことで、印刷と同時に一連の流れで行うことができ、短時間で高い再現性と生産効率を実現します。
2.箔に印刷&繊細な表現が可能
コールド箔は、一般的なホットスタンプと異なり、表面が滑らかでインクの受理性に優れているため、UVインクを使用することで箔の上でもしっかりと印刷が定着します。グラデーション表現が可能で、デザインの自由度が高い点も特徴です。
コールド箔の上に印刷を重ねることで、メタリックな発色を活かした多彩なデザインや、独特の光沢感を持たせたラベル・シールの制作が可能です。さらに、ホットスタンプでは難しい細く複雑なラインアートにも対応できるため、繊細な表現を求めるデザインにも適しています。

箔の上にカラーのグラデーションを印刷

ラインの太さ約0.5mm
3.適した原紙素材と表現
ホットスタンプと比較して若干輝度が落ちることから、弊社では透明フィルムへの印刷をおすすめしています。
製造工程上、同面積の版を用意する必要があるため「広い面積のシールに対してワンポイントのコールド箔」のような表現では、箔素材の使用効率が悪くロスが多くなる傾向があります。デザイン制作の際に留意したいポイントです。
4.コールド箔におすすめの活用例
- 広範囲に輝きを持たせたいブランドパターンや背景への加飾
- 細かい模様やグラデーション表現への加飾
- 高速印刷ラインでの大量ロットシールへの加飾
コールド箔は、デザイン性と生産効率のバランスを求めるシーンに最適な印刷加工です。
箔加工のハードルが下がったことで、これまで箔印刷を敬遠していた案件にも取り入れやすくなっています。
選択のポイント
箔印刷には、ホットスタンプとコールド箔という2つの主要な加工方法がありますが、目的や仕上がり、数量、コストなどによって適した選択肢は異なります。
ここでは、それぞれの特徴を比較しながら、どちらを選ぶべきかのヒントをご紹介します。
特徴比較
項目 | ホットスタンプ | コールド箔 |
---|---|---|
加工方法 | 金属板に熱と圧力をかけ箔を転写 | UV接着剤とUV光で箔を転写 |
仕上がり | 強い光沢・原紙によりエンボス可能 | フルカラー印刷可能・平滑な仕上がり |
細かい 表現 | 細かいデザイン(細線や小文字)はやや苦手 | 細かいデザインやグラデーションが可能 |
コスト | 金属版代がかかる・単価が高め | 金属版不要・大量生産向き |
こんなときはどっち?
- 高級感/触感/存在感を重視したい
→ ホットスタンプ - 繊細な表現/スピードとコスト/大量ロットに対応したい
→ コールド箔
どちらの加工にもそれぞれ強みがあり、仕上がりの印象や適した用途は大きく異なります。デザインの意図や印刷物の使用シーンを踏まえ、目的に合った箔印刷の方法を選ぶことが大切です。
さらに、使用する素材や商材によっても注意すべきポイントは変わってきます。弊社では、用途やデザインに応じた最適な箔印刷をご提案いたします。お気軽にご相談ください。
FAQ /よくある質問
多くご質問いただく内容を集めました。
可能です。用途やデザインに応じた最適な方法をご提案いたします。ホットスタンプの場合は金属版代が必要ですが、デザインの工夫次第でコストを抑えることも可能です。お気軽にご相談ください。
金・銀だけでなく、ピンクゴールド、赤、青、黒、ホログラムなど多彩な箔をご用意しています。
また、仕上がりイメージや商品の雰囲気に合わせて、最適な箔の種類をご提案いたします。
簡単に言うと「転写方法」と「仕上がり」に違いがあります。
ホットスタンプは熱と圧力を使って箔を圧着させるため、金属的な輝きと凹凸のある高級感が特徴です。コールド箔は印刷機を使って糊とUV硬化で箔を転写するため、平滑でシャープな表現が得意です。デザインや用途によって、最適な方法をご提案します。
あります。ツヤを抑えたマット調の箔もご用意しています。
できません。仕様を確認させていただき、最適な方法をご提案します。
ホログラム箔は、特有の模様やパターンを繰り返し配置した箔フィルムを使用しています。そのため製造工程上、ロール状の箔フィルムには一定の間隔で「柄のつなぎ目(継ぎ目)」が発生します。これはフィルム自体の構造上避けられない仕様となります。
まとめ
箔印刷は、シール・ラベルに「上質さ」「華やかさ」「個性」をプラスできる魅力的な印刷加工です。
ホットスタンプは“立体的な高級感”、コールド箔は“繊細で効率的な表現”と、それぞれに強みがあり、目的やデザインに応じて使い分けることで、印刷物の魅力を最大限に引き出すことができます。どちらの加工方法も、ただ装飾として使うだけでなく、ブランドイメージを高めたり、販促効果をアップさせたりと、実用的な価値も高い手法です。
「このデザインに箔を使ったらどうなるだろう?」「どちらの加工が合っているのか迷っている」そんな時は、ぜひお気軽にご相談ください。実物のサンプルや加工のご提案を通じて、理想の仕上がりを一緒に形にしていきます。
サンプル請求 & お問合せフォーム
ホットスタンプの光沢感やコールド箔のグラデーション表現を、ぜひ実際に手に取って比較してください。
箔印刷やシール印刷に関するご質問・ご相談など、お気軽にお問合せください。
シールサンプル
- 特2C+銀箔(ホットスタンプ)
- カラー3C+特白+コールド箔
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